私は複数のWebサイトを運営していて、現在はGA4、Google Search Console、AdSense、WordPressのデータをAIに横断して見せ、どこを改善するべきか判断させる仕組みを作っています。
AIをWeb運営に使うというと、「記事を書かせる」「タイトルを考えさせる」といった使い方が最初に浮かびます。
ただ、複数サイトを実際に運営していると、文章を書くこと以上に時間がかかるのが、「今日はどのサイトの、どの記事を直すべきなのか」を決めることです。
アクセスが落ちた記事、検索には出ているのにクリックされない記事、アクセスは少なくても収益性が高い記事、AI経由の流入が出始めた記事など、見るべきものがサイトごとに増えていきます。
そこで私は、各管理画面を別々に見てから自分で頭の中でつなぐのではなく、複数サイトの検索・アクセス・収益データを同じ判断の流れに集めるようにしました。
この記事では、複数のWordPressサイトを運営するとき、AIを「記事を書く人」ではなく改善する場所を見つける編集責任者のように使う方法を説明します。
複数サイト運営では「記事を書く」より「どこを直すか」を決めるのが難しい
1サイトだけなら、Search ConsoleやGA4を開いて、最近落ちている記事を順番に確認する方法でも回せます。
しかしサイトが増えると、「どのサイトから見るか」という判断が最初に必要になります。
さらに同じサイトの中でも、記事ごとに状況が違います。
- 検索表示は多いのにクリック率が低い
- アクセスは多いのに収益につながっていない
- 検索流入は少ないが、1ページあたりの収益性が高い
- 以前は強かった記事が落ち始めている
- 技術的な問題で検索対象になりにくくなっている
これを複数サイト分、人間が毎回すべて確認して優先順位をつけるのはかなり面倒です。
私がAIへ任せたいのは、この「何から見るか」を決める部分です。
GA4だけでは、SEOで何を直すべきか決められない
GA4では、サイトへ来た後の行動を見るためのデータを確認できます。
たとえばセッション、閲覧、エンゲージメントなどです。Google Analytics Data APIにも、セッションや閲覧数などの指標が用意されています。
Google Analytics Data API:Dimensions & Metrics 公式ドキュメント
ただしGA4だけを見ても、Google検索でどんなキーワードに表示され、何回クリックされ、平均順位がどうなっているかまでは分かりません。
アクセスが減ったときも、検索順位が落ちたのか、検索結果でクリックされなくなったのか、別の原因なのかをGA4だけで決めることはできません。
Search Consoleだけでは、アクセス後の行動や収益が分からない
Google Search Consoleでは、検索結果での表示回数、クリック、CTR、掲載順位などを確認できます。
これはSEO改善では非常に重要です。
しかし、検索から記事へ来たあとに読者がどう動いたのか、そのページがどれくらい収益につながっているのかは、Search Consoleだけでは判断できません。
たとえば検索表示もクリックも多い記事があっても、それだけで「最優先で伸ばす記事」とは限りません。
検索では強いが収益につながっていない記事なのか、検索流入は小さくても価値の高い記事なのかを分けるには、別のデータも必要です。
AdSenseだけでは、なぜその記事に流入しているのか分からない
AdSenseでは、広告収益、ページビュー、広告表示、クリック、RPMなど、収益側の数字を確認できます。
私が複数サイトを見るときも、収益性は改善優先順位を考える材料の一つです。
ただしAdSenseだけを見ても、そのページがどんな検索キーワードで見つかっているのか、順位が上がっているのか下がっているのかは分かりません。
つまり、GA4、Search Console、AdSenseはそれぞれ重要ですが、単独ではページ改善の全体像になりません。
GA4・Search Console・AdSenseを同じ期間で見る
そこで私は、複数サイトを見るときに、まず同じ期間のデータを横断して比較するようにしています。
たとえば直近28日を見るなら、前の28日と比較しながら、サイトごとに次のような状態を探します。
- 検索も収益も強い:そのサイトや記事の勝ちパターンを他へ展開できないか見る
- 検索は強いが収益が弱い:検索意図、導線、広告との相性を確認する
- 検索流入は弱いが収益性が高い:SEOで流入を増やす価値がないか見る
- 検索もアクセスも急落:内容以前に技術的な問題がないか確認する
重要なのは、単純に「アクセスが一番多い記事を直す」という順位付けにしないことです。
検索・利用状況・収益を同じ期間で見て、どこに改善余地があるかを切り分けます。
AIには「どの記事を書くか」より「どの記事を先に直すか」を判断させる
この運用へ変えてから、私の中でAIの役割も変わりました。
AIを単なる記事作成ツールとして見るのではなく、複数サイトの状態を整理し、改善候補を選ぶ編集責任者に近い役割として使っています。
たとえばAIには、次のような順番で考えさせます。
- 複数サイトの現在の数字を比較する
- 前期間から大きく変わったサイトを探す
- 必要なサイトだけページ単位・検索キーワード単位まで掘る
- 改善候補の記事を絞る
- その記事のWordPress本文を読んで、本当に修正が必要か判断する
最初から全サイト・全記事の本文をAIへ読ませる必要はありません。
まず数字から候補を絞り、必要な記事だけ詳しく読む。この二段階にしています。
YouTubeでも同じ考え方を使っており、全動画を毎回深掘りせず、候補だけ詳しく分析しています。詳しくは、YouTube動画をAIで改善するとき、全動画を毎回詳しく調べない|候補を30本までに絞る理由で説明しています。
実際の記事修正はWordPressの内容を確認してから行う
数字だけを見て記事を書き換えるのも危険です。
Search ConsoleでCTRが低いからといって、機械的にタイトルを変更すればいいとは限りません。
実際に修正するときは、対象記事の本文、検索意図、冒頭の回答、情報の古さ、見出し構造、内部リンクなどを確認します。
技術的な問題がある場合は、文章を直す前に検索エンジンやAIが正しくページを取得できる状態かも確認します。
分析データは「どこを見るか」を決めるために使い、実際の修正内容はページそのものを読んで決める。 この順番です。
複数のデータをAIから一元的に扱う仕組みについては、既存記事のGPTs ActionsでWebマーケを自動化|GA4・GSC・WordPress・YouTubeを一元管理する方法でも実装例を紹介しています。
まとめ:複数サイトほどAIは編集責任者として使いやすい
複数のWordPressサイトを運営すると、記事を書く作業だけではなく、「どこを直すかを決める作業」が増えていきます。
私が現在行っているのは、次の流れです。
- GA4・Search Console・AdSenseを同じ期間で見る
- 複数サイトを横断して変化を探す
- 改善候補のサイトだけ詳しく分析する
- 候補記事のWordPress本文を読む
- 検索意図や内容まで確認して修正を判断する
AI×SEOで大きく効くのは、記事を書かせることだけではなく、「次にどこへ人間の時間を使うべきか」を選ばせることです。
サイト数が増えるほど、データを横断して改善優先順位を整理する価値は大きくなると感じています。


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