私は現在、YouTubeチャンネルの動画をAIで自動分析し、改善した方がいい動画を見つける仕組みを作っています。
2026年8月時点の私の運用では、再生数だけを見て「伸びていないからタイトルを変えよう」と判断するのではなく、検索流入、視聴維持、チャンネル登録、収益などを組み合わせて、本当に改善する必要がある動画だけを選ぶことを目指しています。
その中で、タイトルやサムネイルを改善する判断に必要になったのがインプレッションとCTRでした。
ところが実際にYouTube Managerへ追加しようとすると、私が通常のYouTube Analytics取得に入れたCTR・インプレッション系の指標は、そのままでは取得できませんでした。
この記事では、なぜ再生数だけでは改善判断が足りないのか、CTRとインプレッションをどう使うのか、そして取得できないデータを無理に0扱いしないためにどう設計したかを、私の実装経験をもとに説明します。
YouTube動画の改善判断にCTRとインプレッションが必要な理由
YouTube動画を改善するとき、再生数だけを見ても原因は分かりません。
特にタイトルやサムネイルを変えるか判断したい場合、私は「どれくらい表示されたか」と「表示されたうち、どれくらいクリックされたか」を確認したいと考えました。
ここで使うのが、インプレッションとCTRです。
- インプレッション:サムネイルがどれくらい表示されたかを見るための指標
- CTR:表示された中で、どれくらい視聴につながったかを見るための指標
この2つが分かると、「そもそも表示されていない」のか、「表示はされているが選ばれていない」のかを分けて考えやすくなります。
再生数が少ない動画でも、原因は同じではない
たとえば、同じように再生数が少ない動画が3本あったとします。
- 表示回数は多いのに、クリックされていない
- クリック率は悪くないが、そもそも表示回数が少ない
- クリックはされているが、動画の途中で多く離脱している
この3本は、数字の表面だけを見ると「再生数が少ない動画」です。
しかし、改善する場所は違います。
表示されているのにクリックされないなら、タイトルやサムネイルを見直す余地があります。一方で、そもそも表示されていないなら、タイトルだけを変えても原因を解決できるとは限りません。
さらに、クリックされた後に視聴者がすぐ離れているなら、問題は動画の内容や冒頭にある可能性があります。
だから私は、再生数だけを見てタイトルを自動変更する仕組みにはしたくありませんでした。
通常のYouTube Analytics取得にCTRを入れても取れなかった
そこでYouTube Managerを拡張し、動画ごとのCTRやインプレッションもAIの判断材料に加えようとしました。
最初は、ViewsやWatch Timeなどを取得している通常のAnalytics取得へ、CTRとインプレッション系の指標も追加すればいいと考えていました。
しかし私の環境では、videoThumbnailImpressions や videoThumbnailImpressionsClickRate を通常のAnalytics取得へ追加すると、未対応フィールドとしてエラーになりました。
この箇所は私の2026年8月時点の実装結果です。YouTubeの分析系APIには役割の違いがあり、公式資料でも YouTube Analytics API と YouTube Reporting API は別に案内されています。
ここで重要だったのは、「取れないなら0にする」のではなく、「取得経路が違うのではないか」と切り分けることでした。
AnalyticsとReachを分けて取得する設計にした
最終的に私は、YouTubeの分析データを一つの取得方法へ無理に押し込まず、役割を分けました。
通常のAnalytics側では、主に次のような情報を確認します。
- 再生数
- 視聴時間
- 平均視聴率
- 検索から使われた言葉
- 関連動画からの流入
- 視聴維持
- チャンネル登録
- 収益
一方、サムネイルがどれくらい表示されたか、どの程度クリックされたかという情報は、私のシステムではReach用のReporting側から取得する構成にしました。
つまり、すべての数字を同じAPIで取ろうとするのではなく、取得できる場所に合わせて分け、その結果を最後にAIの判断材料として統合する方式です。
CTRがまだ取れていない動画は、無理に改善判定しない
もう一つ決めたのが、CTRが必要なのにまだデータを取得できていない場合の扱いです。
たとえば、タイトルやサムネイルを変更するべきか判断したいのに、CTRのデータがまだ用意できていないとします。
その状態でAIに無理やり「改善する・しない」を決めさせると、再生数など別の数字だけで結論を出してしまう可能性があります。
そこで私の仕組みでは、CTRが必要な判断については「まだ判断しない」状態を持たせるようにしました。
内部ではこの状態を WAIT_FOR_REACH と呼んでいます。これはYouTube公式の状態名ではなく、私のシステム内で判断保留を表すための内部ラベルです。
名前自体は重要ではありません。大事なのは、必要なデータがないときは、AIに無理に結論を出させないことです。
AI自動改善では「分からない」を残す方が安全
自動化を作っていると、すべての動画へ何らかの判定を返したくなります。
しかし実際には、まだ取得できていないデータ、準備中のデータ、条件によって返らないデータがあります。
このとき、未取得を0として扱うと意味が変わります。
たとえば「CTRが0%」と「CTRをまだ取得できていない」は、まったく別の状態です。
前者なら実際の改善材料になり得ますが、後者は単に判断材料が揃っていないだけです。
私がYouTubeのAI自動改善を作る中で強く感じたのは、AIに正しい答えを出させるだけでなく、答えを出してはいけない状態も設計する必要があるということでした。
まとめ:再生数だけでタイトルやサムネイルを変えない
YouTube動画をAIで改善するとき、再生数が少ないという理由だけでタイトルやサムネイルを変更すると、原因を取り違える可能性があります。
私の仕組みでは、再生数に加えて、表示回数、CTR、検索流入、視聴維持、登録、収益などを組み合わせて判断します。
そしてCTRやインプレッションは、通常のAnalytics取得へ無理に入れるのではなく、私のシステムでは別のReporting経路から取得する構成にしました。
必要なデータが取れていないなら、0と決めつけず、判断を保留する。 これが、YouTube動画をAIで安全に自動改善するうえで重要だと考えています。
未取得・実際の0・レポート準備中をどう分けるかは、YouTubeのAI分析で「まだ取れていない数字」を0と判断してはいけない理由で詳しく説明しています。


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